消費税率の改定を今年(2019年)10月に控える中、できれば税率改定前に住宅を購入したいと お考えの方も多いと思います。そこで、首都圏の新築戸建市場において、何故1月と2月が購入者 にとって狙い目と言われているのかを詳しく解説致します!
売買代金の清算時期
例えば、デパートでもコンビニでも お店で商品を購入した場合、その場で 買った商品と引き換えで代金を精算します。これは日常生活で慣れ親しんだ 商行為ですので何ら違和感はありません。それでは、住宅購入の場合はどのような流れになるのでしょうか。まず、気に入った住宅が見つかり、売買契約を 締結し、その際に手付金を支払います。同時に住宅ローンの審査が行われ、無事審査が通れば、新築の場合は〝表示登記〟という登記が行われます。表示登記が終われば、住宅ローンを組む銀 行でお金の貸し借りの契約(金銭消費 貸借契約)を結ぶ手続きをします。その後、建物の鍵と引き換えに残りの代金を支払い(融資実行)、晴れてオーナー となるのです。住宅の売買契約から残代金を支払ってオーナーとなるまでの期間は、完成している物件で概ね3~ 4週間程必要です。このように、買主から売主へ代金の精算が行われるのに1ヶ月弱のタイムラグが発生するのが住宅購入の一般的な流れです。
1990年代半ばから不動産・建築業 界で使われるようになった和製英語で “パワービルダー”という言葉がありま す。一般的に株式を上場している供給 量が豊富な建売業者のことを指しま す。このパワービルダーは、上場企業で あるため、決算期内での利益確保をた いへん重要視しています。前述の通り、住宅の場合は、残代金が精算されるまでに3~4週間のタイムラグが発生するため、このパワービルダーが会社の決算期の3月末日までに売上(入金)が立てられるよう、そこ から逆算した1月中旬から3月上旬にか けて、完成した物件を中心に価格破壊 的とも言える在庫一掃処分セールのようなことをするのが恒例行事ともなっています。 このようなセール期間中にお探しのエリアで条件に見合った完成物件がもし市場にあれば、相場と比較して、とても良い買い物ができるかも知れませ ん。消費税率8%から10%への改定が 予定通り今年10月1日に行われるとす るならば、税率改定前に良い買い物が できるラストチャンスかも知れないの です。ちなみに昨年(2018年)の1~3月にどのような値下げが行われたか、いくつかの事例をご紹介します。
コストパフォーマンスに優れたパワービルダーの住宅
そもそもパワービルダーの建物は、 柱や梁、筋違などで建物を支える木造 軸組工法(在来工法)でありながら、建物全体に構造用の合板を貼ることで、 建物を面で支える2×4工法の良さも 取り入れた工法を採用しており、かねてから耐震性などでは一般的な建売 りビルダーよりも優れた建物ではあったものの、近年、その商品力が更に上がっているのです。例えば、あるパワービルダーは、地震の際の建物の揺れを 小さくする制震ダンパーを標準採用しています。また、第三者機関による住宅の耐震等級や省エネ等級などの住 宅性能評価書の取得をしている会社 もあります。一部では、長期優良住宅の認定取得をしているところもあるほ どです。また、10年を超える長期の保 証をしてもらえる会社が大半です。(※1) 但し、建売住宅であるがゆえに、間取りやデザインは多くの方に平均点 以上をもらえようにあえて設計されているため、全ての方に100点満点をもらえることは少ないとは思います。しかし、大量生産によってコストを抑える ことで、このような高品質住宅をお値打ち価格で取得できる可能性があることがパワービルダーの良さとも言えるでしょう。
土地購入&注文建築は3月31日までがキーワード読者の中には、土地を購入して注文 建築でマイホームを建てたい方もいらっしゃると思います。そういった方々 は、消費税率改定の6ヶ月前である今年(2019年)3月31日までにハウスメー カーや工務店との間で建築の請負契約を結んでいれば、例え建築工事が遅 れて10月1日以降に建物の引き渡しとなってしまった場合でも、消費税率を 8%に据え置く措置が受けられます。そのためには、家を建てる土地が決まっていないと話しになりません。土地を購入して注文建築をお考えであれば、建売住宅をご検討の方同様に3月上旬ま でが土地購入の勝負時と言えるでしょう。近年、前述のようなパワービルダーが、建物を建てずに仕入れた土地を一 定期間は売地として契約してもらえる ケースもあります。こういった商品がもし希望エリアにあれば、建売住宅と同じように3月の決算期に合わせて大幅 なお値引きをしてもらえるかも知れません。
このようなパワービルダーの価格改定予告や値引き情報、さまざまな好条件の揃った売地の情報などは、どうやって入手したら 良いのでしょうか。インターネットなどの広告媒体ではなかなか入手できません。実は、このような情報は、一部の力の強い不動産仲介会社に優先的に集まることが一般的です。また、価格改定や値引き情報は時と場合によっては同じ現場で数日の間に複数回行 われることもあります。そのため、この時期は特に販売力や情報収集力のある会社とお付き合いすることが大切だと言えるでしょう。