住宅ローン控除の存在は知っていても、実際にいくらのお金が戻ってくるのかをご存知の方は 余りいらっしゃらないのではないのでしょうか?今回は住宅ローン控除で、ざっくりいくら位のお金の戻りがあるのかなどを、解説致します!
住宅ローン控除導入の背
そもそも住宅ローン控除は、日本経済の景気刺激策の一環として導入されている制度のひとつになります。住宅は 裾野の広い産業です。住宅の建築が増えれば景気上昇に大きく寄与することになります。そのため、より住宅を購入し やすく、言い換えれば住宅購入のバックアップのために導入されているものなのです。当然景気が良くなり、このようなバックアップの必要がない状況になれば、住宅ローン控除という制度も無くなる運命なのだと言えます。
住宅ローン控除のしくみ
現在の住宅ローン控除は、昨年(平成26年)4月の消費税率5%から8%へのアップに合わせて導入されました。新 築の一般住宅であれば、年末ローン残高の1%もしくは年間40万円のどちらか小さい額となり、控除は10年間継続 されます。40万円×10年間で、最大400万円の所得税の控除(※1)が受けられるしくみです。また、所得税だけで控 除しきれない場合は住民税からも年間最大136,500円を上限として控除されるしくみとなっています。普段私が住宅購入希望のお客様と接していて感じることは、この控除自体をご存知の方は多いのですが、多くの 方が控除の最大額の恩恵を受けられると勘違いしていらっしゃることです。残念ながら“給付”ではなく“控除”です ので、お支払い頂いた税金の“戻り”ということです。お支払い頂いた税金を超える額は戻らないという点にご注意ください。
(※1)認定住宅(認定長期優良住宅・認定低酸素住宅)の場合は、控除の上限は50万円×10年間で最大500万円の控除となります。
過去10年の住宅ローン控除の推移
先程述べました通り、住宅ローン控除は景気刺激策の一環として期間限定で導入されているものです。そのため、その時々により控除の額やしくみが違っています。 それでは、過去から現在に至る住宅ローン控除はどうなっていたのでしょうか?過去10年間、平成18年までさか のぼって比較して見ましょう。
近年の最大控除額は、平成21・22年の500万円です。これをピークに年を追うごとに下がって行きましたが、昨年(平 成26年)4月の消費税率8%へのアップに合わせて新築物件については現在の最大400万円に大幅拡大されました。 このグラフを見ただけですと、平成21・22年に住宅を取得された方が最高に有利だったように見えます。しかしなが ら、平成21~26年3月までの控除は、所得税で控除しきれない額の住民税から控除される最大額が97,500円だったの に対し、平成26年4月から導入された現在の控除は、136,500円にまで拡大されています。以下に掲載した早見表のモ デルの専業主婦家庭における試算では、住宅ローン借入額4,000万円までのケースでは、年収300~1,000万円までの 全てのご家庭において、平成21・22年の控除額よりも、現在の控除額の方が上回るか、もしくは同額となるのです。そう いった意味では、現在の住宅ローン控除は過去最大級と言っても過言ではないでしょう。
いくら戻るの?それでは、皆さんが一番に気なる “実際にいくら戻るのか ”という点です。以下に早見表を掲載しました。モデル ケースは、表の①の欄は、奥様が専業主婦で2歳と0歳児の2人のお子様がいらっしゃる4人世帯の場合です。表の ②の欄は、ご主人・奥様との共働き世帯で、奥様が扶養から外れている場合です。①・②どちらのケースも、住宅ロー ンの債務者は、ご主人お一人として試算しています。
LIFE HOME(ライフホーム)では、年収50万円刻み、借入額500万円刻み、4人世帯としている上記早見 表よりも実態に近い、年収・家族構成・借入額・金利等、さまざまなモデルでの試算を専門のファイナンシャル プランナーが無料で行っています。昨年の源泉徴収票をご持参頂き、お気軽にお問合わせください。