家の断熱性能は窓で決まると言っても過言ではありません。
もちろん屋根や床、壁なども関係していますが、窓の断熱性能によって暮らしの快適さが異なります。
そこで今回は、窓の断熱性能を比較した際のアルミサッシと樹脂サッシ、ガラスのそれぞれの特徴について解説します。
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アルミサッシとは、サッシ全体がアルミニウムで構成されたものです。
もっとも一般的なサッシで、日本の住宅では80%以上の割合でアルミサッシが使用されています。
とくに築年数が経過している住宅に多いサッシです。
一方、欧米では樹脂や木製などの断熱性能の優れたサッシが普及しているため、日本は「窓断熱の後進国」とも言われています。
メリット
アルミサッシのメリットを3つご紹介します。
1つ目は、価格が安いという点です。
アルミサッシは、ほかのサッシに比べ安価であることが最大のメリットとして挙げられます。
たとえば、アルミサッシからアルミ樹脂複合サッシに変更すると、数十万円くらい金額が上がり、さらに樹脂サッシに変更すると、それ以上に金額が上がります。
2つ目は、軽量である点です。
ほかと比較すると、もっとも軽量であるにも関わらず、強度も備わっています。
樹脂サッシの場合は、強度を出すために厚みが加わり、サッシが厚くなると窓の開閉が重く感じるかもしれません。
その点、アルミの場合は軽量であるため、窓の開閉も楽にできます。
3つ目は、耐久性が高い点です。
アルミは、ほかのサッシと比べ耐久性が高く、見た目もすっきりとした仕上がりになります。
また、錆や腐食にも強いため、寿命の長さもメリットのひとつです。
デメリット
アルミサッシ最大のデメリットは断熱性能に欠ける点です。
アルミは金属でできているため、熱伝導率が非常に高くなります。
熱伝導率が高いと、夏は熱を通しやすいため室内は暑くなり、冬は外の冷気が伝わり室内は寒くなります。
そして、エアコンの温度調整効果も低下するため、電気代がかかるといった状況に陥るのです。
さらに、この特性により結露が発生しやすいという問題もデメリットのひとつです。
結露の水分により、木材が痛みクロスもめくれやすくなるなどといったトラブルが発生しやすくなります。
そのため、最近ではアルミ樹脂複合サッシや樹脂サッシに変更する住宅が増えてきているのが現状です。
窓の断熱性能を比較した際の樹脂サッシの特徴
樹脂サッシとは、サッシ全体が樹脂で構成されており、樹脂の特徴である熱の伝わりにくさを生かしたサッシです。
日本での樹脂サッシの普及率は7〜8%程度とまだまだ低いですが、北欧や北米などの寒冷地ではもっとも高い普及率を誇っています。
日本でも、北海道や東北地方などの寒冷地で採用されることが多いです。
また、築年数の浅い住宅に多い傾向にあります。
メリット
樹脂サッシのメリットを3つご紹介します。
1つ目は、断熱性に優れているという点です。
樹脂はアルミと比較すると、約2.6倍の断熱性能があると言われています。
樹脂が熱を伝えにくいため、室内温度は安定し、省エネルギー効果を得られ、結果的に光熱費の削減につながります。
また、熱が伝わりにくいことで、冷暖房効率が良くなるだけでなく、冬の温度差により起こるヒートショックを防ぐこともできます。
2つ目は、結露が発生しにくいという点です。
熱が伝わりにくいと、室内側のサッシも冷えにくいため結露が軽減します。
結露が軽減すると、結露が原因で発生するカビやダニも防ぐことができるため、快適に暮らすことができるでしょう。
3つ目は、防音効果があるという点です。
気密性が高いため、サッシの隙間から漏れる空気量も少なくなります。
そのため、音が漏れる量も少なくなり、防音効果につながります。
デメリット
メリットがある一方で、気を付けていただきたいデメリットも存在します。
そこで2つのデメリットをご紹介します。
1つ目は、紫外線に弱く劣化が早い点です。
熱が伝わりにくく気密性に優れている樹脂ですが、アルミと比べると紫外線に弱いというデメリットがあります。
たとえば、樹脂製の洗濯ばさみを使用し続けると、色が変化したり硬化、変形などにより劣化しているのがよくわかります。
サッシも同様で紫外線の影響を受けると、変形する可能性があるのです。
そのため、とくに影響を受けやすい南側に設置する場合は、何らかの対策をしなければなりません。
2つ目は、価格が高い点です。
アルミに比べ、価格が高いのがデメリットとして挙げられます。
海外では樹脂サッシがメインとなりますが、日本ではまだあまり普及していないため、価格も高く設定されています。
窓の断熱性能を比較した際のガラスの特徴
上記では、サッシの断熱性能についてご紹介しましたが、窓の性能も重要なポイントになります。
なぜなら、断熱性能の5〜7割くらいは窓で決まると言われているからです。
日本の住宅では、アルミサッシに単板が採用されることが一般的でした。
しかし、近年では2枚からなる複層や、断熱や遮熱効果のあるLow-E複層、3枚からなるトリプルも普及しています。
そこで、それぞれの特徴をご紹介します。
単板ガラス
住宅の窓ガラスにもっとも多く用いられている一般的な一枚ガラスのことです。
単層ガラスや一枚ガラス、フロートガラスとも呼ばれています。
窓に使用されている単板ガラスの厚みは「3㎜」が一般的ですが、メーカーや製品によっては10㎜程度の厚さがあるものも存在します。
厚みによっても熱伝導率は異なりますが、単板ガラスはもっとも熱伝導率が高いガラスです。
もっとも普及している窓ガラスであるため、コストが安く施工しやすいのがメリットです。
一方、熱伝導率が高いうえ防音性能は低く、結露が発生しやすいのがデメリットでもあります。
複層ガラス
2枚以上のガラスにより空気層を閉じ込めたものを言います。
ペアガラスとも呼ばれており、内側にある空気層により断熱効果を高めています。
複層は、熱や音は伝わりにくいうえ、結露が発生しにくく、割れにくいというのがメリットです。
一方、コストが高く、厚みがあるのがデメリットとして挙げられます。
Low-E複層ガラス
Low-Eは、複層ガラスのひとつで構造も同じです。
通常の複層との違いは、2枚あるガラスの内側または外側に「Low-E金属膜」があるかないかで決まります。
Low-E金属膜とは、低放射性能を備えた金属膜が貼られており、日光を反射させる効果や熱が伝わりにくい効果があります。
また、Low-Eには断熱タイプと遮熱タイプがあり、断熱タイプは中空層室内側に金属膜が貼られているため、太陽の日射熱を取り込みたい寒冷地で人気です。
遮熱タイプは中空層室外側に金属膜が貼られているため、放射熱の移動を抑え太陽の紫外線や日射熱をカットする効果があり、夏の強い日差しもカットすることができます。
トリプルガラス
ガラス3枚の間に2つの中空層があるため、複層より高い断熱性能を誇ります。
日本では寒冷地で採用されることが多いです。
また、断熱性能や防音性能も非常に高く、割れにくく結露しにくいというメリットがあります。
一方、コストが高い点がデメリットとして挙げられます。
まとめ
80%以上の住宅で使用されているアルミサッシは、価格が安く耐久性がある一方で、熱伝導率が高いのがデメリットです。
普及率の低い樹脂サッシは、断熱性や防音性に優れ結露が発生しにくい一方で、紫外線に弱く価格も高いのがデメリットです。
また、窓ガラスも種類があり、地域や気候に合わせて性能も年々向上しています。
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