住宅ローンについて調べていると、「団体信用生命保険(団信)」という言葉を耳にすることがあります。
「生命保険とは違うの?」「どんな仕組みなの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
この記事では、住宅ローン契約時の団体信用生命保険について、その仕組みや告知事項、また保険に加入できない場合の対処法を解説します。
これから住宅ローンを組もうとお考えの方は、ぜひ参考にご覧ください。
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弊社へのお問い合わせはこちら住宅ローンの団体信用生命保険とは?
はじめに、団体信用生命保険の仕組みや、通常の生命保険との違いについて解説します。
団体信用生命保険の仕組み
団体信用生命保険とは、住宅ローン契約者に万が一のことがあり、返済不能となった場合に、保険金でローン残高を完済してくれるというものです。
「フラット35」という商品を除いたほとんどの住宅ローンで、この団体信用生命保険への加入が義務付けられています。
なぜ、住宅ローンを組む際には団体信用生命保険に加入する必要があるのでしょうか?
その理由は、住宅ローン契約者に万が一のことがあった場合に、契約者の家族に返済の負担がいくのを防ぐためです。
もし契約者に不幸があって返済ができなくなった場合、数千万円という残債を家族が支払っていくことになります。
このようなリスクをなくし、万が一の際も家族が安心して暮らしていけるよう保証してくれるのが、この「団体信用生命保険」なのです。
保険料は誰が支払う?
団体信用生命保険の保険料を支払うのは、金融機関です。
そのため、住宅ローン契約者が借り入れした金額とは別に、追加で支払うことはありません。
ただし、特約を付ける場合などでは、ローン契約者の負担分が発生します。
その場合の支払い方法は、「金利に上乗せ」もしくは「毎月の住宅ローン返済とは別に保険料を支払う」のどちらかになります。
「金利に上乗せ」で支払う場合には、途中で契約内容の変更ができません。
契約後に特約を外す予定があるなど、内容変更の可能性がある場合には、住宅ローンとは別に保険料を支払う方法を選択するのがおすすめです。
生命保険との違いは?
団体信用生命保険と通常の生命保険では、以下のような点に違いがあります。
●保険料が変わらない
●保険金の支払いは、保険会社から金融機関に直接おこなわれる
●団体信用生命保険は生命保険料控除の対象外
年齢や性別によって保険料が変わる通常の生命保険とは異なり、団体信用生命保険の保険料は一律です。
また、通常の生命保険は妻や夫などが受取人となりますが、団体信用生命保険の場合、保険金は直接金融機関に支払われます。
保険料控除の条件である「保険金受取人を自己または配偶者その他の親族とする」に当てはまらないため、団体信用生命保険は生命保険料控除の対象外です。
住宅ローンの団体信用生命保険には告知事項がある
通常の生命保険に加入する際には、健康状態について「告知」をしなければなりません。
それは団体信用生命保険も同様です。
そのため、健康状態が良くない場合、団体信用生命保険に加入できない可能性があります。
とはいえ、ウソの告知をすると「告知義務違反」にあたるため、正直に伝えることが大切です。
まずは、団体信用生命保険に加入するための告知事項について見てみましょう。
告知事項は大きくわけて3つ
団体信用生命保険の告知事項は、以下の3つにわけられます。
●最近3か月以内に受けた治療や投薬歴
●過去3年以内に受けた手術や治療歴(保険会社が指定する病気に限る)
●現在の身体障害状態(そしゃく機能の障害や手・足の欠損など)
上記はあくまでも一例で、告知書の質問は、保険の種類によって異なります。
もしも告知事項のいずれかに当てはまった場合には、さらに詳しく病名や現在の症状などを記載しなければなりません。
すでに完治してる場合や、症状が安定しているのであれば、そのことを詳細に記載したほうが保険に加入できる可能性が高まります。
処方薬など詳しいことを書く際は、お薬手帳などを参照して記入すると良いでしょう。
必ず正しい告知をすること
持病を隠すなどウソの告知をして保険に加入したら、万が一のときに保険金がおりない可能性があります。
「そもそもウソってばれるの?」と思う方もいるかもしれませんが、保険金を請求するときにばれます。
なぜなら、ローン契約者が亡くなり、保険金を請求する際には医師による診断書が必要だからです。
その診断書には、これまでの治療歴や病名などがすべて記載されています。
そのため、事実と異なる告知をした場合には診断書にてすぐにわかるというわけです。
保険金が降りないとなると、ローンの残高は家族が支払うことになってしまいます。
ウソの告知は大切な家族をリスクにさらすことになるため、必ずありのままの状態を伝えましょう。
病歴があるとどうなる?
「病歴がある=団体信用生命保険に入れない」というわけではありません。
3か月・3年以内の治療歴にて、比較的よくある病気が該当することもあるでしょう。
すでに完治している場合や、手術や入院が必要ない病気などでは、保険に加入できることがあります。
保険会社は、病気の症状や現在の状態などを全体的に見て保険に加入できるか判断しています。
必ずしも「病歴がある=団体信用生命保険に入れない」というわけではないと覚えておきましょう。
住宅ローンの団体信用生命保険に入れない場合
健康上の理由で、団体信用生命保険に入れないと判断された場合、どうしたら良いのでしょうか?
ここでは、団体信用生命保険に加入できなかったときの対処法をご紹介します。
ワイド団信を利用する
通常の団体信用生命保険に加入できなかった場合の対処法として、ワイド団信への加入があります。
ワイド団信とは、持病があっても入りやすいように加入条件が緩和されている保険です。
たとえば、通常の団信では加入が難しい「高血圧症、心臓・脳疾患、肝機能障害」などを患っていても、病状によっては加入できるとされています。
そのため、通常の団体信用生命保険の審査に落ちたという方でも、ワイド団信であれば加入できる可能性があるのです。
ただし、ワイド団信では住宅ローンの金利が0.3%ほど上乗せされることになります。
まずは通常の団体信用生命保険の審査を受けてから、検討することがおすすめです。
フラット35を利用する
団体信用生命保険の審査に落ちてしまった場合、フラット35で住宅ローンを組むという方法があります。
フラット35とは、全期間固定金利タイプの住宅ローンで、団体信用生命保険への加入が必須ではありません。
そのため、団体信用生命保険に入らなくても住宅ローンが組めるのです。
さらに、団体信用生命保険に加入しない場合、加入時よりも金利が0.2%ほど低くなります。
ただし、万が一のときには保証が受けられないという点に注意しなければなりません。
仮に契約者が死亡・高度障害状態になった場合、家族がローンの支払いをしていくことになります。
病気を患う前に生命保険に加入しており、万が一の保障が十分という方であれば、安心して利用することができるでしょう。
まとめ
団体信用生命保険は、契約者に万が一のことがあり返済不能となった際に、保険金でローン残高を完済してくれるという保険です。
フラット35を除くほとんどの住宅ローンで、団体信用生命保険への加入が義務付けられています。
健康状態が悪く、団体信用生命保険に入れなかったという方でも、今回ご紹介したような対処方法があります。
告知義務違反と判断されないためにも、告知事項は正直に記入しましょう。
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