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マイホーム買い替えで譲渡損失が発生したときの繰越控除について解説

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マイホーム買い替えで譲渡損失が発生したときの繰越控除について解説

マイホームの買い替えでは、譲渡損失が生じる可能性があります。
マイホームの買い替えは比較的大きな金額でおこなうため、譲渡損失の額も大きくなりやすいものです。
そこで損益通算や繰越控除という制度がありますが、事前に内容や適用・適用外要件を把握しておかなければスムーズに進めることができません。
そこでここでは、マイホームの買い替えで譲渡損失が発生した場合に用いることができる「損益通算」や「繰越控除」について解説していきます。
マイホームの買い替えをご検討中の方は、ぜひご確認ください。

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マイホームの買い替えで譲渡損失が!繰越控除について

マイホームの買い替えで譲渡損失が!繰越控除について

まずは、譲渡損失とはどのような状況のことを指すのかを確認し、繰越控除を用いるとどのようなメリットが出てくるのかを確認してみましょう。

譲渡損失とは

まず、譲渡損失とは名称からわかるとおり、譲渡によって税金計算上(所得)の損失が生じていることを指します。
たとえば、マイホームの総購入費が5,000万円であり売却費が3,000万円であると、2,000万円の差額が生じていますよね。
実際にはもう少し異なる計算をしますが、単純に考えてこの場合は2,000万円の譲渡損失が生じていることになります。
住宅ローン控除や建物の減価償却費相当額などを考慮すると少し複雑になってきますが、当然、購入金額より売却金額が低い場合には譲渡損失が出やすいです。

マイホームの買い替えにおける繰越控除の特例とは

マイホームの買い替えで譲渡損失が生じた際に用いることができる繰越控除とは、譲渡損失額をその年度の所得と合算することができ、それでも譲渡損失分が余っていれば翌年以降3年間にわたって控除していく制度です。
なぜこの特例が必要であるのかを考えるため、この特例がなかった場合を考えてみましょう。
まず、本特例がなく、マイホームの買い替えで譲渡損失1,000万円が生じたと仮定します。
また、マイホームの買い替え以外での年間所得が800万円だと仮定してみましょう。
この際、トータルでは200万円の損失となっており、マイホームの買い替えによって経済的に負担となっています。
しかし、本特例がないと年間所得800万円のほうに所得税や住民税がかかってしまうのです。
このようなことを防ぎ、すべての所得合わせて考えるために繰越控除は用いることができます。
また、本特例は住宅ローン控除との併用も可能であり、マイホームの買い替えを効果的におこなうことが可能です。
マイホームの買い替えをおこなう際には譲渡損失が生じるかを確認し、生じる場合は繰越控除を用いていきましょう。

マイホーム買い替えの譲渡損失における特例の適用要件

マイホーム買い替えの譲渡損失における特例の適用要件

繰越控除はマイホームの買い替えで用いられる特例ですが、要件は売却するマイホームと購入するマイホームそれぞれにて規定されています。
売却と購入それぞれでどのような要件があるか確認し、自分は特例を適用することができるかどうか確認してみましょう。

売却側の要件①居住用財産の譲渡であること

まず1つ目の要件は居住用財産の譲渡であることです。
名称に「マイホーム」とあるように、あくまでも一般的に住む不動産でなければ適用外となります。
もし、不動産が事業用であれば繰越控除は用いることができないのでご注意ください。

売却側の要件②譲渡する年度の1月1日において、所有期間が5年を超えている

2つ目の要件は、譲渡する年度の1月1日において、所有期間が5年を超えていることです。
所有期間が5年以下である不動産の譲渡を短期譲渡と呼びますが、短期譲渡では繰越控除を用いることができません。
この要件の注意点は「譲渡する年度の1月1日において」という点が重要です。
たとえば、3月に所有期間5年を超える不動産があり、10月にマイホームの買い替え特例を用いることはできるでしょうか。
この例において、実際に買い替えをするときには所有期間5年を超えていますが、その年度の1月1日においては所有期間が5年を超えていません。
ですので、この例であると適用外となってしまうのです。
あくまでも譲渡する1月1日時点が基準となることにご注意ください。

購入側の要件①取得の翌年末までに入居や入居見込みがあること

買換えるマイホームを取得した年の翌年12月31日までに入居や入居見込みがあることが適用要件の1つです。
つまり、マイホームの買い替えの繰越控除によって購入したマイホームは来年末までに必ず居住しないといけないといった要件です。
あまり意識せずとも要件を満たしやすいものですが、逆にうっかりしやすいものでもあるためご注意ください。

購入側の要件②居住部分の床面積が50㎡以上であること

購入するマイホーム側の条件としては、床面積の規定があります。
床面積はパンフレットなどに記載されていますが、適用要件の判断は登記床面積となるので注意しておきましょう。
もし、記載がない、わからないといった場合は不動産会社への相談をお勧めいたします。

購入側の要件③取得年度の12月31日時点においてマイホーム取得に関わる返済期間10年以上の住宅ローンを有していること

購入側の3つ目の要件として、新しいマイホームを取得した年の12月31日時点においてマイホーム取得に関わる返済期間10年以上の住宅ローンを有していることがあります。
つまり、譲渡損失の繰越控除を用いる際は、住宅ローンによってマイホームを購入することが必要なのです。
ただし、返済期間10年以上といったところは見落としやすいので注意が必要です。

購入者の要件④繰越控除の適用年度において、合計所得が3,000万円以下であること

繰越控除を用いる年度において、合計所得が3,000万円を超えていると特例を用いることができなくなります。
今までの所得を確認し、合計所得がどのような値となるのか確認しておきましょう。
とくに、次のマイホームでの生活が始まると職場や給与形態に変化がある場合は注意が必要です。

マイホーム買い替えの譲渡損失における特例の適用外となる要件

マイホーム買い替えの譲渡損失における特例の適用外となる要件

ここまで譲渡損失における繰越控除の適用要件について解説してきましたが、これら要件を満たしていても適用外となる場合があります。
適用外となる条件も確認しておき、本当に特例を用いることができるのかを確認しておきましょう。

適用外条件①敷地面積が500㎡を超える部分

適用要件にて建物床面積の下限が決められていましたが、実は敷地面積が大きすぎると適用外となってしまいます。
こちらは前述のとおり購入パンフレットや不動産会社への問い合わせで調べていきましょう。

適用外条件②合計所得金額が3,000万円を超える場合

前述のとおり、合計所得金額が3,000万円以下でないと特例を用いることができません。
買い替え後のライフスタイルの変化もしっかりと考え、合計所得を予測しておきましょう。
とくに、買い替えは4月ごろにおこなうことが多いですが、その時期は昇進や昇給も起こりやすい時期であるため注意が必要です。

適用外条件③返済期間10年以上の住宅ローンがない

特例を適用するためには、買い替えるマイホームの取得にあたって10年以上の住宅ローン契約をすることが必要です。
繰越控除の適用を受けたいためにあえて返済期間を延ばしてしまうと、利息がかさむため逆にデメリットとなってしまうかもしれません。
本当に必要な事項の決定を不動産会社などと話し合いながらお進めください。

まとめ

今回はマイホームの買い替えで譲渡損失が発生した場合に用いることができる「繰越控除」について解説しました。
マイホームの買い替えで譲渡損失が生じる場合は、特例を積極的に用いることをお勧めします。
しかし、特例を用いるためには多くの要件を満たすことが必要であるため、適用要件をしっかりと確認していきましょう。

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